生前契約書・遺言書

 一般によく知られている「遺言書」は自分が死んでからのことを表明するものですが、「生前契約書」は、生きている自分が老後を安心して暮らせるように予め準備しておくもので、「財産管理委任契約書」「任意後見契約書」「尊厳死宣言書」の3つを云います。 老後のそれぞれの段階に応じて効力を生じ、「財産管理委任契約書」は身体の自由がきかなくなり生活面で支障を来すようになった場合に、「任意後見契約書」は認知症などにより判断能力が不十分となったときに、「尊厳死宣言書」は、脳死状態や終末期を迎えたときに備えておくものです。 そして、亡くなった後については、「遺言書」が発効し、遺言書に従い相続が開始されます。
「財産管理委任契約書」「任意後見契約書」「尊厳死宣言書」及び「遺言書」の4点は、次のようにあなたの人生の最終局面を支えます。

財産管理委任契約書、任意後見契約書、尊厳死宣言書、遺言書作成

 ご自身の意思や判断能力、身体機能が正常なうちに作成しておきます。 会社員の場合は退職を機会に、自営業や事業者の方は引退を機会に作成すると良いと思います。

 身体の自由がきかなくなった。 → 「財産管理委任契約書」

 年老いて、身体の自由がきかなくなったり、老化による「もの忘れ」があるようになった場合には、金融機関でお金を引き出したり、生活費の支払ができなくて生活に支障を来すことがあります。 また、病気になった場合には入院手続きや要介護認定の手続きが自分ではできなくなったりします。 「財産管理委任契約書」を作成しておけば、委任した人にそれらの手続きを任せることができます。 

 高齢になって認知症などにより判断能力が不十分となった。→ 「任意後見契約」

 判断能力が正常なうちに、任意後見制度を利用し任意後見契約をしておけば、認知症などにより判断能力が不十分となったとき、家庭裁判所に任意後見監督人選任を申立て、任意後見監督人が選任されると、任意後見契約が発効し、予め決めておいた援助者が財産管理と身上看護をしてくれます。 任意後見契約では、ご本人の財産をご本人の為に保護し、ご本人の為に適切に使い、判断能力の低下度合い、生活状況などを把握し、どのような介護や援助が必要かなどを介護関係事業所・施設などと相談し、最も適切な介護サービスをご本人に代わって選択判断し契約することが援助者の務めとなります。

 病気になり入院することになった。 → 「尊厳死宣言書」

 「尊厳死宣言書」を作成しておけば、過剰な延命治療を拒否し、自然な死を迎えることができます。 入院時に医師や看護師に宣言書を渡し、尊厳死を希望している旨を伝えます。 ただし、現在の日本では尊厳死について定めた法律がない為、「尊厳死宣言書」があったとしても確実に実現される保証はないのですが、日本尊厳死協会調査では、医療関係者の9割以上が「尊厳死宣言書」の本人の希望を受入れています。
  

 死後の事務処理 → 「財産管理委任契約書」の「死後特約」

 身寄りのない人、親族との交流がなくなっている人、死後の事務処理について希望がある場合などは、財産管理委任契約書の中で死後の事務委任を付け加えることで、行政庁への諸届け、医療費や介護施設等への費用支払、葬儀、永代供養、家財道具等遺品整理などを委任することができます。

 逝去により相続開始 → 「遺言書」

 ご本人が亡くなると相続が開始されます。 相続が開始されるとまずは遺言書の有無が確認され、遺言書が確認されると遺言者の意思は最大限尊重され遺言書に基づき遺産が分割されることになります。 全ての遺産が遺言者の思い通りになるわけではありませんが、概ね遺産の半分は思い通りになります。

<参照リンク:遺言書>

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